
無痛分娩とは?

無痛分娩は、陣痛の痛みを軽減する分娩法です。
ご自身に合った分娩法を選びましょう。
無痛分娩は、陣痛の痛みを軽減する分娩法です。「無痛」といっても、完全に痛みがなくなるわけではなく、
いきむことができるくらいの痛みは残しています。そのため、呼吸法やお産中の過ごし方など、ほかの痛みの緩和法もあわせて行います。
無痛分娩には、いくつかのメリットとデメリットがありますので、それぞれについて知り、ご自身に合った分娩法を選ぶことが大切です。
無痛分娩のメリット
産後の回復が早い
無痛分娩は分娩中の体力を温存し、産後の回復が早いことが多いと言われています。
以下のような理由で無痛分娩を選択される方は増えています。
●出産後の育児に備えて、できるだけ体力を温存したいと思った。
●早い段階で仕事に復帰したいと思い、出産のダメージをできる限り減らしたかった。
●産後、上の子の育児もあるので産後の体力を温存したいと思って第二子は無痛分娩にした。
●産後に頼れる人がいないため、自分が育児に専念できるよう無痛分娩にした。
●体力に自信がない。
リラックスして出産できる
●痛みにおびえない出産

無痛分娩は陣痛や赤ちゃんが出てくる時の痛みを和らげることで、
リラックスして、出産に臨める!
というメリットがあります。
痛みの感じ方には個人差がありますが、痛みに対して不安が大きい方にとっては、自然陣痛の痛みは不安や恐怖感によるストレスを増やし、体力を消耗し、分娩の妨げになることもあります。
無痛分娩は、産道がリラックスすることで分娩の進行が促進する効果も期待できます。
●自分で「産んだ」感覚も実感できる

無痛分娩は完全無痛になるわけではなく、ある程度の感覚が残るように麻酔を調整するため、
しっかりといきんで、出産!
することができます。
自分で「産んだ」感覚も実感いただけます。
●会陰切開・縫合の痛みも軽減

会陰切開やその縫合時の痛みは、
無痛分娩の効果で、抑えられます!
※分娩後、麻酔が切れると痛みは出ます
家族のスケジュールも計画しやすい
当院の無痛分娩は"計画分娩"
あらかじめ分娩する日を決めて分娩ができるため、出産の準備がしやすく、例えば以下ような家族のスケジュールも事前に計画しておくことができます。

●立ち合い出産希望で、夫のスケジュールを合わせたい
●夫が単身赴任のため、計画分娩の日に帰ってきてもらう
●第二子の出産で、入院期間中の上の子や夫の過ご し方を考えておく
●計画分娩の日に上の子を見てもらう人が必要
●入院期間中や産後の家族(夫、上の子、両親、義両親など)の過ごし方を考えておく
帝王切開も速やかに対応可能
万が一、分娩の途中で帝王切開が必要になった場合は、無痛分娩で使用しているカテーテルをそのまま利用して速やかに帝王切開用の麻酔に移行することができます。
そのため、スムーズに帝王切開にとりかかることができます。

スムーズに帝王切開へ移行できます。
無痛分娩の注意点(デメリット)と対処

当院では以下のような無痛分娩の合併症・注意事項に対してすぐに対処できるように、
日ごろから研修、訓練を行い、必要な機材を十分に整備しています。
安心して無痛分娩を受けられるように準備しておりますのでご安心ください。
●硬膜外麻酔の合併症・注意事項があります。
1. 足の感覚が鈍くなる、足の力が入りにくくなる
背中の神経には、足の運動や感覚をつかさどる神経も含まれているため起こります。その程度は個人差があります。
2. 低血圧
背中の神経には、血管の緊張の度合いを調節しながら血圧を調整する神経も含まれています。その神経が麻痺することで血管の緊張が取れ、血圧が下がることがあります。一般的には問題とならない程度ですが、まれに、お母さんの気分が悪くなり、赤ちゃんも少し苦しくなってしまうことがあります。その場合、点滴や昇圧剤で速やかに治療します。
3. 尿をしたい感じが弱い、尿が出しにくい
背中の神経には、尿をしたい感覚を伝えたり、尿を出したりするための神経も含まれており、その働きが鈍くなります。麻酔が効いて歩きにくくなった場合や、排尿が困難になったときは管を入れて尿を出します。
4. かゆみ
医療用麻薬を組み合わせて使うと、その影響でかゆみが生じることがあります。ほとんどの場合、治療を必要としない程度です。
5. 体温が上がる
硬膜外鎮痛を受けている妊婦さんの一部では、受けていない妊婦さんよりも体温が高くなると報告されています。原因としては、痛みがとれることで呼吸が速くならず熱が体の外に放出されないことなどが考えられています。それ以外の原因が考えられる場合、感染が発熱の原因になっていないかを調べるために血液検査をすることがあります。
6. 硬膜穿刺後頭痛(まれ)
硬膜に傷がつくことで起こります。頭や首に痛みがでたり吐き気が出たりします。産後 2 日までに発症し、症状は特に上体を起こすと強くなり横になると軽快します。まず安静にすることや痛み止めの薬を飲むことで治療します。
7. 局所麻酔薬中毒(まれ)
硬膜外腔へ入れる管が血管の中に入ってしまうことがあります。麻酔薬が血管の中に注入されることで、耳鳴り、舌の痺れなどが出ることがあります。さらに血中濃度が高くなると、けいれんや不整脈が出て生命に関わることがあり、発生した場合には、治療薬の投与や人工呼吸などの処置を行います。
8. おしりや太ももの電気が走るような感覚(まれ)
管が脊髄の近くの神経に触れるために起こります。一般的にはほんの一時的なものです。場合によっては、管の位置の調整が必要なことがあります。
9. 脊髄くも膜下腔に麻酔の薬が入ってしまうこと(まれ)
脊髄くも膜下腔は、硬膜をはさんで硬膜外腔に接しています。ここに麻酔薬が入ると、麻酔の効果が強く急速に現れたり、血圧が急激に低下したりします。重症では呼吸ができなくなったり、意識を失ったりして生命に関わることがあります。発生した場合、人工呼吸などの処置を行います。
10. 硬膜外腔や脊髄くも膜下腔に血のかたまりや膿のたまりができること(まれ)
血のかたまりや膿のたまりができることで神経を圧迫することがあります。永久的な神経の障害が残ることがあるため、できる限り早期に手術をして除去しなければならない場合があります。
11. 胎児徐脈
麻酔の効果が出てくるとともに胎児心拍が一時的にゆっくりになることがあります。これはいくつかの原因で臍の緒の血液の流れが減少するためです。一時的な現象で、赤ちゃんに影響があることはまれですが持続する場合は、お母さんの体勢を変える、母体血圧を上昇させる薬の投与、お母さんへの酸素投与などの処置が必要になることがあります。まれに胎盤機能や臍の緒の機能が悪いなどの条件が重なると、胎児への血液の流れを改善できにくくなることがあります。その場合は帝王切開などの対処が必要になることもあります。
●陣痛が弱くなる可能性があります。
もし分娩誘発が不成功(有効な陣痛が来ない、もしくは分娩の進行が非常にゆっくりであった場合)の場合は陣痛促進剤を一定の時間で中止、麻酔も一時中止してお休みいただき、翌日再開します。
●赤ちゃんの回旋(回って産道を降りてくる状態)の異常を起こす可能性があります。
●分娩時に吸引分娩などの器械的操作が必要になる可能性があります。
無痛分娩のよくある質問・心配ごと
どんな人が無痛分娩を選ぶことが多いですか?
様々な理由がありますが
「陣痛の痛みが不安」「産後の体力を温存したい」という妊婦さんが
無痛分娩を選択されることが多いです。
具体的には以下のようなお声をお聞きます。
●痛みに対して恐怖感が強く、少しでもリラックスしたいと思って無痛分娩を選択。
●出産後は育児で大変だろうから、 出産のダメージをできる限り減らしたかった。
●できるだけ早めに職場復帰したいから。
●産後、上の子の育児もあるので産後の体力を温存したいと思って第二子は無痛分娩にした。
●産後に頼れる人がいないため、自分が育児に専念できるよう無痛分娩にした。
●無痛分娩で出産した友人から「産後の回復が違う」と聞いたから。
おなかを痛めて産まないと、赤ちゃんへの愛情が薄くなりますか?
出産の時の痛みだけが母子間の愛情を決めるわけではありません。
無痛分娩は、陣痛の痛みを軽減しますが、しっかりといきんでご自分で産んでいただきます。
赤ちゃんが生まれる瞬間をしっかりと実感していただけます。

無痛分娩だと痛みは完全になくなりますか?
無痛分娩は陣痛の痛みを軽減する分娩法です。完全に痛みをなくすものではありません。
無痛分娩は完全無痛になるわけではなく、ある程度の感覚が残るようにするため、しっかりといきんで出産することができます。自分で「産んだ」感覚も実感いただけます。
また、痛みの感じ方は個人差があり、無痛分娩でも「それなりに痛みがあった」という方もいれば「生理痛くらいの痛みで余裕をもてた」という方もいらっしゃいます。
なお、無痛分娩の麻酔の効果が切れると、会陰切開部の痛みや子宮が収縮する痛み(後陣痛)は感じることが多いです。

硬膜外麻酔を始めたら、寝ていなければならないですか?
麻酔の効果により足に力が入りづらくなる場合があるため、
安全性を考え、原則、ベッドの上で過ごしていただきます。


